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2005-10-17-02-「アナログの凄いところ」に寄せて

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最終更新日付:2013/12/31 08:01:18


「アナログの凄いところ」に寄せて

2005 年 10 月 17 日

いなあもさんのアナログ/デジタル音声の話題(10/17)を呼んで昔の血が騒いでしまいました。どんな血かって? それはお聞きにならないで...(?) というわけで、情熱(?)にかられるまま書いてみました。

いわゆる CD のサンプリング周波数は 44.1 KHz。これは、1秒間に 44,100 回のサンプリングを行うことを意味しています。しかし、残念ながらこれが 44.1KHz の高さの音を記録できるという意味ではありません。理論上、デジタルサンプリングによって再現できる音声の周波数は、サンプリング周波数の半分。つまり、CD では 22.05 KHz の高さの音までしか再現できません。

人間の可聴領域の上限は 20 〜 22 KHz くらいと言われています(個人差があるそうです)。なので、CD の 44.1KHz はまぁ妥当と言えるでしょう。サンプリング周波数を上げると1秒あたりのデータ量が増えるため、CD 規格でサンプリング周波数をあげることは録音可能時間を減らすことにつながります。ちなみに、一般には普及しなかったDAT(Digital Audio Tape)は、48KHz や 96KHz があったと思います。

伝聞なので保証できませんが、なんとかいう音楽界の偉い方が、ベートーベンの交響曲第九(だったかな)が CD 1枚に収まらなければならない! とかなんとか言った結果44.1KHz に決まったんだとか(ガセや聞き間違いだったらゴメンナサイ)。

余談ですが、デジタルオーディオでは、サンプリング周波数と共に重要なのが量子化ビット数と呼ばれる数値で、1回ごとのサンプリングの結果を何ビットの数値で表すかを示します。これについては CD が 16ビットだったか 32 ビットだったか忘れましたが、いずれにせよ高ければ高いほど再現性がより高くなります。これもサンプリング周波数同様、上げればデータ量に跳ね返るため、規格で容量が決まっている CD のようなメディアでは録音可能時間に跳ね返ります。

一方、アナログ音源。僕はレコード盤については詳しくありませんが、S/N 比(実音声レベルとノイズの比率)や劣化耐性を除けば多分今でもアナログオーディオのほうがレベル高いんじゃないかな。磁気テープでは、テープを太くしたり走行速度を速くする ── つまり、単位時間あたりの記録に使用する磁性体の量を増やす ── ことで品質が相当上がります。学生時代、テレビ局の報道部でバイトしていたことがありましたが、報道で使用されるカメラ ── いわゆるベータカム ── では、SONY のベータの2時間テープを6倍速で回していました。つまり、2時間テープで 20分しか撮影できないわけです。これで撮影したニュース映像を、編集室のモニタ ── 単なるモニタなのにとんでもない値段のやつ── で見ると、現在のハイビジョンがショボく見えるくらいキレイだったのを今でも覚えています。

オーディオや映像のデジタル化というのは、おおむね「アナログの模倣」という路線を進んでいます(少なくともこれまでは)。そもそもデジタルというのは「非連続」ということですからね。音声という連続的に変化する情報をデジタルで模倣するとき、そこに生じる情報の欠落は本質的です。つまり、減らすことはできても0にはできない。だからこそ人間が気にならないレベルに落とし所を求めるという現在のあり方につながるのでしょう。現代のデジタル技術が模倣しても模倣しきれないアナログ。そのポテンシャルは偉大なんです。

以上、昔覚えたコトを引っ張り出してきました。たまにはこんなトピックもいいよね。

 

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