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2006-01-07-01-誰にでもわかるように

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最終更新日付:2013/12/31 07:39:45


誰にでもわかるように

2006 年 01 月 07 日

...ちょっと心がすさみがちな最近の陰郎。なんでかというと、昼間の仕事でいろいろとやるせない思いをしているからだ。日本だけがそうなのかどうかはわからないし、陰郎が仕事をするところだけがそうなのかもしれないのだが、なんで情報処理業界(ITという言葉は嫌いだ)の人間はああも幼稚なのだろう? 今回は、その幼稚さを象徴する(少なくとも陰郎はそう思っている)言葉、「誰にでもわかるように」について書いてみよう。

「誰にでもわかるように書いてください」とか「誰にでもわかるように作ってください」とか言われると、毎度のこと陰郎は言いようのない怒りを感じる。そもそもこの発言にはなんの前提も条件も無い。厳密に、どうすればこの条件を満たせるのかを知る方法があるだろうか? 苦労してわかりやすく作ったつもりでも、出来上がった後に「誰にでもわかるようにって言ったじゃないですか。これじゃわかりませんよ。」と言われたら終わりなのだ。なんら条件を提出していないという点で、この言明はあまりにも無責任である。

大体、「誰にでも」ってどういうことだろう? "Anyone" ということだよな。つまり、その辺の通りを歩いているおばちゃんや子供にもわかるように、ということだろうか。揚げ足取りのように聞こえるかもしれないが、「誰にでも」という言葉を額面どおりに受け取ればそうなるし、そうでないならば「誰にでも」はすでに誤りなのだ。百歩譲って、「この業界の人間ならば誰にでも」だとしよう。それでもまだ解決はしない。たしかに対象領域は限定されたが、それでもまだ広すぎる。陰郎にはとてもそんなことはできないし、できそうな人にお目にかかったこともない。

あまり話を広げるつもりはないので、特にソフトウェアの設計と実装に関連する部分について書いておこう。ことプログラミングになるとよく言われるのが「初心者にでもわかるように書いてください」というものだ。ちょっとまて。我々はプロじゃないのか? もちろん、気持ちはわからんでもない。今陰郎に作らせたとしても、未来永劫陰郎がメンテナンスするわけではないのだ。次にやってくるのが箸にも棒にもかからぬようなクズかもしれないと思うからこそ、そんな発言が出てくるのだろう。そしてその(クズがやってくる)可能性はきわめて高いのがこの業界なのだ...しかし、しかしである。

自営業の陰郎は自分の腕だけを頼りにして仕事をしている。そんな仕事人に対して「初心者にでもわかるように作れ」というのがどれほど侮辱を感じさせるものか、そういう考えは浮かばないのだろうか? 気難しい職人気質の大工に向かって、施主が「私のような素人にも修繕できるように家を作ってください」なんて言ったらどうなると思う? さっさと荷物をまとめて帰ってしまうだろう。陰郎もそんな気持ちになる(さすがに帰りはしないが)。初心者にもわかるように作らせたければ初心者にやらせればいいだろう!...というわけだ。

こんなエントリを書くに至るほど陰郎が「誰にでも」という言明を嫌うのは、その背後にこの業界の現状を暗黙に是認する諦めを見るからだ。業界に初心者がいるのはいつだって当然としても、きちんとした教育を受けてプロになっていくのが本筋というものだ。いつまでも初心者でいてもらっては困る。我々は少なくともプロとして仕事をするのだから。しかし、教育という点ではこの業界は本当にお粗末なもので、そこらじゅうに無駄に年齢だけ重ねたようなクズがたくさんいる。しかし、そのような現状を簡単に諦めてしまっていいのだろうか? 諦めてしまえばそれ以上の進歩はない。「誰にでも」は、そんな諦めの表れなのだ。陰郎は自分がプロとして仕事を続けていくためにも、そのような諦めを許すわけにはいかない...かくして、陰郎はいわゆる「お上」に対して言挙げをせざるを得なくなるのだ。

 

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