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2006-04-02-01-【PipeWorks】 Side story - 2:確信への賭け

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最終更新日付:2013/12/31 07:39:31


PipeWorks】 Side story - 2:確信への賭け

2006 年 04 月 02 日

(前回までのあらすじ)

配管工になって半年。組合の財務担当であるテッド・グリフィンと組合の上客・ピノフスキ氏が話をしているところを、あなたは偶然聞いてしまう...

 

あなたは緊張で身体がこわばるのを必死で抑えた。全身を耳にして背後の様子に神経を集中する...大丈夫だ。気付かれてはいない。あなたはカフェの入口に背を向けて座っていたから、顔も見られていないはずだ。2人はあなたのすぐ後ろに座っているようだが、1人はあなたと背中合わせで、向かい合って座っているらしい。彼らの視界に入ることはあるまい。ひとまずあなたは安心した。

...それから数分間、あなたは2人の会話を聞きとろうとしたが、それは無駄な努力だった。周りはそれほどうるさくはなかったが、2人は小声で会話をしている。しばらくすると、1人がエスプレッソを飲み干してカフェを出て行った。軽めの若々しい足音...多分テッドだ。そして、数分後、ゆったりとした貫禄ある足取りが店を出て行った。おそるおそる振り返る。後ろの席は空になっている。あなたは大きく息をついた。それにしても、財務のテッドとピノフスキ氏とは! 会話の内容は聞き取れなかったが、あの2人がこんな郊外のカフェで小声で話をしているだけでも十分に不自然だ。それに、別々に出て行ったことからしても、2人一緒にいるところをできるだけ見られたくないのだろう。あなたの中の疑念は、既にはっきりとした形をとり始めていた。

 

翌日、あなたは決意した。これはいちかばちかの賭けだ。テッドが銀行に電話しているところは聞いたことがある。そして、毎月送られてくる銀行からの明細を、つい先日テッドが受け取ったばかりだということも...できるだけ自然にやるのだ。あなたは、組合の取引先銀行に電話をかけた。

「もしもし、配管工組合の財務担当、テッド・グリフィンです。」

『お世話になっております。ただいま担当の者とかわりますので...』

「あ、こちらもちょっと急いでますので、伝言だけお願いします。実は、先日送っていただいた明細にコーヒーをこぼしてしまいまして。あの明細は組合の保管対象になっていますので、もう1部送ってほしいとお伝えいただけますか?」

『かしこまりました。先日の明細をもう1通ですね。お急ぎですか?』

「ボスに知られるとバツが悪いんで早いほうがいいな。書留速達なら明日にはつきますか?」

『大丈夫だと思います。今日中に発送できると思います。』

「よろしくお願いします。」

あなたは受話器を置いた...明日はテッドは休み。それも計算のうちに入っている。わざわざ書留で依頼したのも、送り先に別の場所を指定しなかったのも、余計な疑いを抱かせないためだ。あとは明日、明細が届く時間帯に組合のビルにいて自分が書留を受け取ることだ...

 

次の日、全てはうまく行った。郵便が届いた時、たまたま入口近くに居合わせたような振りをして書留にサインし、その書留を上着の中に隠して残りの郵便物を事務員のところへ届けた。誰にも見られなかった。事務員はあなたに 『 ありがとう 』 とさえ言った。知らぬが仏とはこのことだ。あとは、この明細の中に何が書かれているのか。そしてそれを知った後は? それは明細を見てから考えよう...あなたは組合のビルを出て家へと急いだ。

しかし、あなたは気がつかなかった。通りの向かい側の電話ボックスの中から、あなたを見ている人物がいたことに。その男は、あなたが書留を受け取るときから、一部始終を見ていた。そして、あなたが立ち去るのを見届けると、受話器をとって電話をかけた...

(続く)

 

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