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2006-07-29-01-価値と価格

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最終更新日付:2013/12/31 07:39:14


価値と価格

2006 年 07 月 29 日

...というタイトルで書きたいことがあったのだが、どうしても書き出しが思いつかない。こういうときはいつもの手口でいこう。ひとまず、「価値」という言葉で辞書をひいてみた。

か‐ち【価値】
  1. 物事のもっている値うち。あたい。かちょく。「千金の価値がある」
  2. 人間の基本的な欲求、意志、関心の対象となる性質。真、善、美、聖など。
  3. ある目的に有用な事物の性質。使用の目的に有用なものを使用価値、交換の目的に有用なものを交換価値という。

(国語大辞典(新装版)小学館 より)

うん、まぁこれはいい。では次は 「 価格 」 だ。

か‐かく【価格】

物の価値を貨幣で表わしたもの。値段。

(国語大辞典(新装版)小学館 より)

これは正直気に入らない。価値が貨幣で定量化されるみたいじゃないか。50万円の厄除けの壷を喜んで買う人にとっても、馬鹿馬鹿しいと言って買わない人にとっても、それは同じ50万円の価値があるというのか? 価格とは単に取引のための決め事に過ぎないはずだ。何かにつけられた価格がその人にとってそれだけの価値が無ければ、購入には至らない。価値とは主観的なものであり、価格というのはそれとは異なるなにかのはずだ...と思っていたら、「価値学説」という見出し項目をみつけた。

かち‐がくせつ【価値学説】

経済理論の根本的命題である経済的価値を対象とし、それを規定する要因を証明する学説。価値概念は、主観的価値と客観的価値に区分され、前者は、財の価値を、人間の欲望を充足しうる財の能力に対する人々の重要性の認識であるとみる。後者は、ある財と他の財との交換比率から発展し、市場に形成されるとする。

(国語大辞典(新装版)小学館 より)

陰郎は経済学にはとんと疎いのですぐには飲み込めないが、結局「価値」という用語には複数の側面があると考えていいのだろう。陰郎が「価値」という言葉を弄るときはほぼ間違いなく主観的価値の方を指している。交換を前提とし、そのために使用される「価格」とはやはり異なるものだ...と陰郎は解釈した(誤理解かもしれない)。

さて、なんでこんなことを書いたかというと、どこかでこんな言葉を見かけたからだ。

無料ってのはな、モノを大切にしようって気をなくさせるんだよ。

つまり、対価がないことは価値判断を必要としないということだ。だから無料であるということがそれに対する価値(の少なくとも一部)の認識に影響を与えてしまう。存在しない価格が価値を決めてしまうのだ。そしてそこに相対性はない。つまり、1円は100円より「99円安い」のに対して、「0円は100円より100円安い」ことにはならないということだ。両者は全く別のことだ。このことは、フリーソフトウェアを作成している人間にとっては非常に重要な意味を持つ...と思う。

さて、ここからが本題だ。一般にフリーウェアと呼ばれる無料のソフトウェアを使っている方々に特に読んでいただきたい。陰郎は、自分なりに努力して開発をしている。そこから生まれた Palmware はたしかに無料だが、それは適当に作ったとか思い入れが無いとかいう意味では決してない。たしかに無保証で提供されるものだが、それは保証したくないわけではなく、したくてもできないからだ。フリーウェアとしてリリースするのは、多くの人々に気軽に使っていただきたいという理由もある(ネット経由での決済というのは今でも面倒なものだ!)が、なにより作り手としての価値判断を押し付けたくないからなのだ。「それにどれくらいの価値があるか」は、皆さんに判断してもらいたいと思う。価格がゼロであるならば価値もまたゼロであると考える前に、ためしに「これが有料だとしたら、いくらくらいなら購入するだろうか」と考えてみてほしい。それがあなたにとっての、その Palmware の価値だろう。

こんなことを書いたからといって、別に寄付を求めようなどと考えているわけではない。しかし、せっかくだからここでちょっとした提案をしてみたいと思う。もし、あなたが新しいフリーの Palmware を使ってみて、例えば 500円の価値があると思ったならば、その 500 円を作者に払う代わりに Palm のために使うというのはどうだろうか。新しい液晶保護シートを買うのもいいし、他の魅力的なシェアウェアのレジストをするのもいい。スタイラスの予備を買うのもいい考えだ。そうやって、Palm に関係する有料の商品やサービスにそのお金を使うのだ。そうすれば、Palm にまつわる市場にほんの少しでも良い影響を与えられるかもしれない。もし、陰郎の作った Palmware が間接的にでもそんな好影響を与えられるとしたら、望外の喜びというほかはない。無論このような提案を押し付けるつもりはない。ただ、あなたがナイスなフリーの Palmware に出会ったときに、ここに書いたことを思い出していただければと思う。

 

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