books:デスマーチ
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最終更新日付:2005/01/01 00:00:00
デスマーチ
─ なぜソフトウェアプロジェクトは混乱するのか ─
基礎情報
ISBN | 4-8101-8982-1 |
出版社 | 株式会社トッパン |
定価 | 2200円 |
著者 | Edward Yourdon |
訳者 | 松原 友夫、山浦 恒央 |
レビュー
「デス・マーチ」。そう、「死の行進」です。ソフトウェア開発の世界では、絶望的な状況の中を進むプロジェクトを愛情を込めてそう呼ぶのだそうです。著者の Yourdon は人員、予算、期間のいずれか、または全部が妥当な線から著しくはずれたプロジェクトという定義を与えています。つまり「失敗するとわかっている」プロジェクトのことなのですが、この本が面白いのは、そんなプロジェクトが発生するメカニズムと、それに参加してしまう開発者たちを分析しているところです。
デス・マーチ発生の理由は色々あります。政治、市場、復讐...おぞましい単語が並びますが、参加する側の理由もまた色々です。参加しないならクビと言われた...他に行くところが無い...成功報酬につられた...しちめんどくさいお役所手続きが免除されるから、なんてのもありました。新しく、挑戦的なテクノロジーを使えるからというのは確かに魅力的ですね。しかし、極めつけは「今まで誰もやってのけたことがないから」。これです。弱いんですよね、こういうのに。わかります、とっても。不可能だ、誰にもできないと言われて燃えないエンジニアがいるでしょうか。で、「君ならきっとできる」くらい言われちゃったらどうですか。その辺をくすぐられていい様に働かされちゃったりするんですよね。
世間一般に信じられているようなソフトウェア産業のハイテク幻影にとらわれているのなら、ぜひ御一読を。また、自分(達)だけがこんな苛酷な環境で働かされているのかといぶかっている人も読むといいかもしれません。この業界にうんざりで転職したいけど踏ん切りがつかなくてトドメを刺して欲しい人にもオススメです。
この書籍からの引用
- aphorism:「英雄」の出現を誰もが必要とし、望み、願って‥‥‥
- aphorism:どの会社も錯乱状態にある。全く同じことを‥‥‥
- aphorism:人々は、ツールを使うべきなのにツールに‥‥‥
- aphorism:給料、福利厚生、快適さなどは‥‥‥
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