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Zen of Palm/1

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最終更新日付:2014/01/01 00:00:00

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1 悟りへの道

 

PalmSource 社で作られたデザインの哲学と実践は、特定の種類の計算機を対象としています。すなわち、ハンドヘルドデバイスです。ここでいうハンドヘルドには PDA、ワイヤレスコミュニケータ、スマートフォン、医療・科学系機器、在庫管理機器、およびその他多くのデバイスが含まれます。Palm ハンドヘルド製品の宇宙は多様性に富んでいますが、それらは3つの原則によって統一されています。

1つめは、Palm OS ソリューションのユーザー中心主義です。ハンドヘルドとその上で動作するアプリケーションはすぐに使えて完璧なまでに便利でなければなりません。顧客は目の前に迫った問題を解決する必要があるからこそハンドヘルドを購入するのです。コンピュータが必要だからなどといった曖昧な感覚から購入するのではありません。そのため、Palm OS アプリケーションは顧客が期待する有用性と便利さに固執する必要があるのです。

次に、Palm OS のソリューションはいつでもどこでも使えなければなりません。ハンドヘルドの顧客は PC やノートパソコンでは不便な場所でコンピュータの力を必要としています。ハンドヘルドに無節操に機能を詰め込もうとすると、デバイスは簡単に持ち運ぶには重過ぎたりかさばったりすることになるでしょう。定義から言って、ハンドヘルドは手に ── それも人間のその手に ── 収まらなければなりません。

最後に、ハンドヘルドのアプリケーションは洗練された“用途指向性”を持ちます。ユーザーにとって重要な特定のタスクにしっかりと集中することで、アプリケーションは仕事のための良き道具となるのです。Palm OS アプリケーションの特異性は、ハンドヘルドデバイスの本質から得られたものです。一般的な計算機とは違い、ハンドヘルドは特定の方法で使用されるべく特別にデザインされたデバイスです。この違いを理解するには、しわくちゃのウールのスーツを持っていると想像してみて下さい。アイロンをかけるためにスチームローラーを使うことはできますが、それよりはスチームアイロンを使った方が良いでしょう。「フォーカス」がこのゲームの名前です。Palm OS プラットフォームは広大な地平ではありませんし、曖昧に定義されたものでも一枚岩のアプリケーション群でもないのです。

パーソナルコンピュータの世界におけるデザイン哲学とその実践は、Palm OS のデザイン上の哲学や実践とは大きく異なっています。本書では両者が何故、そしてどのように違うのかを説明することで、素晴らしい Palm OS アプリケーションを作成できるようにします。

Palm OS のユーザーインターフェースの細かい部品 ── ボタンの配置やアイコンなど ── の海にいきなり飛び込むよりは、10,000 フィートの上空から Palm OS デザインの哲学と実践を見渡してみることにしましょう。このデザインの概観は以下の4つのトピックで探索することができます。

Palm OS プラットフォームのデザインには新しいコンセプトと考え方が含まれるため、いくつかの謎かけを通してこれらのトピックを考察していきたいと思います。禅の公案の作法では、その答えは時に因襲的な知見をひっくり返してあなたの理解を深めたりします。全ての禅の師弟達へのしかるべき弁明として、私達はこれらのなぞかけで包んだパラドックスがハンドヘルド界のアプリケーションデザインに関する小さな悟りに繋がることを祈っています。それぞれの謎かけは本書内の各セクションの導入として示されますが、続く議論を読みながらそのパラドックスをじっくり考えるのも良いでしょう。お望みであれば、本文がトピックを完全に解明していくのを単純に読み進めていくこともできます。謎かけや挿し絵を読み飛ばしたいのであればそれも御遠慮なく(見ずに済ませるのは難しいかもしれませんが)。

 

 

 

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